馬毛島とラプコン《radar approach control》を考える

2010年の徳之島への米軍基地移設反対闘争の教訓から、伝えたい

《radar approach control》レーダー進入管制。 地上誘導着陸方式によるもので、空港監視レーダーと精測進入レーダーを用い、無線電話により操縦士に指示を与えて着陸させる。

嘉手納ラプコンは、嘉手納基地から半径90キロ、高さ6000メートルの空域と、久米島空港の半径55キロ、高さ1500メートルの空域の進入管制業務を嘉手納基地のレーダーで米軍が実施してきました。

那覇空港から離着陸する民間機は、嘉手納基地に離着陸する米軍機と航路が重なるため、約10キロの間、高度300メートルの低空で飛行するという「高度制限」を義務付けられています。

こうした米軍優先により、ニアミス(異常接近)の発生、低空飛行による乱気流発生時でのトラブルの可能性が指摘され、民間機の安全優先、燃料負担の軽減などから嘉手納ラプコンの早期返還が求められていました。

国土交通省は、返還後は地上と上空の管制を日本側で行うため、米軍機の飛行状況が早めに把握でき、米軍機の状況によっては高度制限せずにスムーズな着陸・上昇が可能としています。


変わらぬ米軍優先

嘉手納ラプコンの日本への返還は「空の主権回復」、民間航空の安全確保という点で前進です。

しかし全面返還ではありません。国土交通省も認めるように高度制限の“緩和”は、あくまで嘉手納基地や普天間基地を離着陸する米軍機の飛行計画が予定されていない場合です。米軍機の飛行や作戦計画に支障のない範囲が前提なのです。

馬毛島でのタッチアンドゴー、離着陸訓練は「ラプコン」という、空域の制限下で行われる。であれば種子島、屋久島方面から国内線はおのずと狭い空域しか運航できない。わが物顔で制空権をもって轟音を轟かせても文句は言えない。2010年まで那覇空港がわずか高度300mしか許されてなかったことを知っているのだろうか。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください